
日が暮れゆく夏の宵、お茶と工芸が織りなす特別な時間。
埼玉県東松山市を拠点に活動する造形家・加藤渉が、2018年夏、南青山・白白庵で開催された「夏の宵茶会」に出展しました。
一昨年のナイトギャラリーが好評を博したことを受けて開催された第二弾となるこの茶会では、加藤渉氏の代表作「Infinity」が展示の顔として、パンフレットを飾りました。
目次
光と竹が生み出す無限の造形「Infinity」

- 作品名:Infinity
- 製作年:2018年
- 素材:真竹、LED、他
「Infinity」は、真竹の節の間を繊細に削り出し、内部にLEDを仕込んだ掛け花入れです。闇に浮かび上がる柔らかな光は、竹の温もりを通して空間に広がり、一輪の草花を幻想的に照らし出します。

竹という日本の伝統素材と現代技術が融合したこの作品は、茶の湯の「夜咄(よばなし)」の精神性を見事に体現しています。昼とは異なる静謐な時間の中で、光を纏った竹がもたらす無限の広がり。それは、茶会という一期一会の空間にふさわしい造形美です。
この作品は展示期間中に購入者を得て、現在は大切にされています。
イベント概要
白白庵 特別企画展 | ナイトギャラリー 2018 「夏の宵茶会」
Minami-Aoyama PAKUPAKUAN presents: Night Gallery 2018 “Summer night tea party”
茶の湯にまつわる品々を集めたグループ展
- 会期:2018年7月14日(土)~23日(月) ※19日(木)定休日
- 時間:16:00~21:00(夕刻から夜へと移りゆく時間帯の特別展示)
- 会場:白白庵(ぱくぱくあん)
〒106-0072 東京都港区南青山二丁目17-14
東松山市で活動する造形家・加藤渉

プロフィール
埼玉県東松山市を拠点に活動する造形家・加藤渉は、1985年、同じ埼玉県比企郡鳩山町に生まれました。Webデザイナー・プログラマーという異色の経歴を経て、2007年頃より竹や和紙を使った照明造形の制作を始めました。パルプ造形家の故・大川修作氏の工房で数年間、ものづくりの実践とその心構えを学び、その後独立。現在は造形家として木竹・和紙・ガラス・石材・金属など多様な素材を駆使した照明作品や造形作品を生み出しています。
茶の湯との深い結びつき
東松山市の造形家・加藤渉の作品は、白白庵をはじめとする茶の湯の世界でも高く評価されています。
夏の宵茶会シリーズには2018年の初出展以来、継続的に参加。「茶室の幻影」「茶室の怪人」といったテーマで、光と影が織りなす幻想的な茶空間を演出してきました。
また、増上寺での「陰翳礼讃」展や、新宿伊勢丹での茶会など、伝統文化と現代造形が交差する場で作品を発表し続けています。
国際的な文化交流への貢献
東京国立博物館の特別展レセプションにおいて、空間演出を数多く手がけているのも造形作家・加藤渉氏の特徴です。「アラビアの道」「台北國立故宮博物院展」「黄金のアフガニスタン展」など、世界の文化遺産を紹介する場で、日本の伝統素材による現代的な空間演出を通じて、文化の架け橋となる役割を果たしています。
主な展示歴
- 2018年7月「夏の宵茶会」白白庵(本展)
- 2018年1月 東京国立博物館「アラビアの道」レセプション空間演出
- 2017年12月「竹あかりと初詣コンサート」ときがわ町桃木八幡神社
- 2017年10月 2人展「陶芸と竹あかり」スペースM
- 2017年8月 グループ展「ゆらぎ / うつろい」パークホテル東京
- 2017年6月 展示プロデュース「和紙サミット・特別展」埼玉伝統工芸会館
- 2016年7月 二人展「続・陰翳礼讃」増上寺
- 2016年7月 グループ展「新・陰翳礼讃」白白庵
- 2016年7月 催事「陰翳礼讃 – いにしえ茶会」新宿伊勢丹
- 2016年5月 東京国立博物館「伊東マンショ肖像画展」レセプション空間演出
- 2016年1月 東京国立博物館「黄金のアフガニスタン展」レセプション空間演出
- 2016年1月 催事「花を飾る 華を生ける」日本橋三越本館5F ライフマイニング
- 2016年1月 企画展「桃木の鎮守」埼玉県ときがわ町 八幡神社
- 2015年10月 公募展「天祭 一〇八」増上寺
- 2015年8月 企画展「綿柎開 – わたのはなしべひらく」やさしい予感
- 2015年4月 グループ展「Artokigawa展」埼玉県ときがわ町大椚第一小学校跡
- 2015年1月 企画展「桃木の鎮守」埼玉県ときがわ町 八幡神社
- 2014年11月 企画展「瑞花 – 竹の瑞と和紙の花」埼玉伝統工芸会館
- 2014年6月 東京国立博物館「台北國立故宮博物院展」レセプション空間演出
- 2014年3月 東京国立博物館 法隆寺宝物館 レセプション空間演出
- 2014年2月 東京国立博物館「支倉常長と南蛮美術展」レセプション空間演出
- 2013年12月 渋谷 Bunkamura winter craft collection 2013
- 2013年7月 二人展「乞功十四針七夕之習」埼玉伝統工芸会館
- 2013年3月 二人展「牢として竹光」ギャラリー元町
- 2013年3月 南浦和アートフェスタ さいたま市文化センター
- 2012年6月 グループ展「水無月の水」マキイマサルファインアーツ
- 2012年2月 グループ展「桃の節句あかり展」スペースM
- 2011年10月 森林公園アートフェスタ 国営武蔵丘陵森林公園
- 2011年8月 グループ展「漉工房展」木の香
- 2011年1月 二人展「君たちが言うのなら仕方がない」ギャラリー元町
- 2009年5月 二人展「星と石仏と竹あかり展」古民家ギャラリーかぐや
おちゃのわでは、お茶文化を支える作家たちの活動をご紹介しています。
伝統と現代が交わる場所で、新しい茶の湯の表現を探求する作家たちの挑戦を、これからもお伝えしていきます。












